顔から汗がダラダラ滴り落ちるのは…
2025/07/25

「顔から汗が流れ落ちる」「突然、顔と頭から汗が噴き出す」といった状態にお悩みの方もいらっしゃいます。周りから気づかれやすく、気になって普段の生活にも支障が及ぶ場合があるでしょう。
多量の汗の原因は様々ですが、その症状には疾患が隠れていることもあるので注意が必要です。放置せずに早めの対策や適切な治療をおすすめします。
今回は汗がダラダラ出ることについて、その原因や仕組み、対処法などについて解説していきます。
【目次】
汗は毛穴から出ているの?

汗は、汗腺から分泌されます。汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺があり、それらからの汗は、毛穴が開いて出てくると思っている方も多いかもしれません。
しかし実際に毛穴とつながっているのはアポクリン汗腺だけです。ここから出る汗は毛と結びついていて、毛穴から排出されます。
もう一つのエクリン腺は毛穴とつながっていませんので、エクリン腺から汗が出ても毛穴は開きません。そんな二つの違いについて解説します。
・エクリン汗腺
エクリン汗腺は、直径0.4mmほどの小さな組織で皮膚の浅い所にあり、全身に存在しています。その数は230万個ほどにもなります。
サウナやスポーツなどで体温が上がった時にかく汗は、エクリン汗腺からのものです。99%は水分ですので、ほぼ無臭でサラサラしているのが特徴です。
何らかの原因により、エクリン汗腺から大量に汗が分泌される症状を多汗症といいます。
・アポクリン汗腺
アポクリン汗腺は直径4mmほどの大きな汗腺で、皮膚の深い所にあり、脇や陰部などの特定部位に存在し、毛穴につながっています。
アポクリン汗腺からの汗は、タンパク質や脂質、糖質、アンモニア、鉄分などの成分が含まれ、濁りや粘り気があるのが特徴です。
ワキガの原因となるのがこの汗で、体臭や脇臭の強い方はアポクリン腺が大きく数が多い特徴があります。
毛穴と汗の関係

毛穴からは皮脂が分泌されますが、それが汗と混ざり合うことで皮脂膜が作られます。
それにより水分の蒸発を防ぎ、外からの刺激物からお肌を守り、また肌を弱酸性に保ち細菌の繁殖を防ぐこともしています。
顔は常に露出していて紫外線や乾燥といった影響を受けやすいため、毛穴からの皮脂と汗腺からの汗とで皮膚を保護し、体温調整も行うといった役割を担っています。
異常なほどの多汗は病気?

自律神経失調症および更年期障害、代謝異常など様々な要因から、多汗症の症状があらわれる場合があります。
糖尿病や低血糖、神経性疾患、感染症など何らかの疾患や薬の副作用などによって起きている多汗症は、「続発性多汗症」といわれています。
また疾患でもないのに脇の下や頭皮、額、手の平、足の裏など、汗腺が密集する部位で大量の汗をかく症状は「原発性多汗症」です。
その原因は、遺伝やストレス、ホルモンバランスの崩れ、運動不足などで自律神経が乱れることで汗の分泌が活発になることが考えられます。
セルフでできる対処法

軽い多汗症の場合は、ご自身の対策で改善される可能性はあります。発汗を促してしまう交感神経の活発化を抑えるために、以下のことに注意しましょう。
・生活の見直し
生活習慣の乱れから交感神経が優位になり、発汗を促している場合があります。
交感神経を鎮めるためには十分な睡眠を確保する、外食や飲酒、喫煙を控える、辛いものや刺激物、カフェインは過剰に摂取しない、さらにストレスを溜めないうちにリラックスタイムを作る、適度な運動で汗腺の衰えを防ぐなど、普段の生活習慣を見直していきましょう。
・食生活の改善
食べるもので交感神経が刺激され、発汗を促してしまうことがあります。
気を付けたいのが辛い物や熱い食べ物、香辛料などの刺激物です。それらは胃に負担をかけてストレスにつながり、多汗症を悪化させる可能性があります。
魚、肉、大豆などからタンパク質を摂り、ビタミン類やミネラルなど、バランスの良い食生活を送るような工夫をしてみて下さい。
・制汗剤や制汗シートの使用
市販の制汗剤などには、汗腺の出口を縮め、あるいは塞いで汗を抑え、汗を吸収してベタつきを取る、臭いの元になる雑菌の繁殖を防ぐなどの効果があります。
症状が軽度で一時的に汗を抑えたい場合には、制汗剤などの使用も効果的ですが、肌トラブルを起こすこともあるため注意が必要です。
多汗症を治す方法には何がある?

当院やほかのクリニックなどで多汗症の治療を行う場合の方法をご紹介します。
・外用薬による治療
当院では、オリジナルの制汗ローション「OL」や「パースピレックス」といった制汗剤をご用意しています。汗が出てくる開口部に一時的な栓を形成することで発汗を減少させます。
また、一般的な治療法として用いられる「エクロックゲル」「塩化アルミニウム」「アポハイドローション」などの外用薬は、脇や手の平、足の裏などの患部に直接塗ることで汗腺を塞ぎ汗が出るのを抑える働きがあります。
・内服薬とサプリメント
多汗症に対する内服薬では、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを妨げる抗コリン剤が使われている「プロバンサイン」が用いられます。
またサプリメントのデオビューは、内側から体内環境を整え、気になる臭いにアプローチします。植物性原料の鉄クロロフィリン、シャンピニオンエキス、カテキン、LBSカルチャーを配合し、小粒で糖衣形状のためどなたにも手軽にインナーケアできます。
・ボトックス注射による治療
ボトックス薬剤に含まれるボツリヌス毒素には、交感神経から発汗の司令を出す神経伝達物質を抑制する働きがあります。
その作用により患部にボトックス注射を打つと発汗を抑えることができます。患者様によっても異なりますが、多くの方は効果が1週間程度で感じられると報告されています。
多汗症は交感神経が過剰に反応することで生じ、精神的なものや生活習慣が影響していることが多く見られます。
顔や頭からの多汗症は、強いストレスによって誘発されることが多いようですが、疾患のものである可能性も否定できません。「汗っかきだからしょうがない」と諦めず、早めに医療機関を受診しましょう。
当院では、顔、頭部やほかの部位の多汗症にも対応しています。患者様それぞれの症状に合わせた治療法をご提案いたしますので、多量の汗でお悩みの方はお気軽に当院までご相談下さい。
記事監修

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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。






















