頭や額から汗が流れ落ちる、頭の多汗症
2022/04/21
「人より明らかに汗の量が多い。」
「特定の箇所だけ発汗がある。」
「人前で話していたら額や頭から汗が流れ落ちてきて、ハンカチでごまかしてやりすごした…」
日常生活に支障が出るほどの汗に悩んでいる人は多いです。
誰でも暑い日や運動したあとなどに汗をかきますが、過剰な発汗が続くようなら多汗症かもしれません。多汗症の影響を受ける箇所はさまざま。
なかでも、頭(額)や顔の汗は隠しにくく、恥ずかしいものです。頭部だけ異常に発汗がみられる場合は頭部多汗症の可能性もあります。
「これは体質だから」と諦めてしまう前に、頭部多汗症についての知識を持っておきましょう。
【目次】
頭部多汗症の特徴的な症状
- 緊張するような状況におかれると頭から汗が噴き出て髪が濡れてしまう
- 「また汗をかいたらどうしよう」という不安から、また発汗してしまう
- (上記に加え)親族で頭部からの発汗で悩んでいる方がいる
ただ汗っかきなのかそれとも多汗症なのか見極めが難しいところですが、顔や頭だけ異常に汗が出たり、一旦汗が出ると止まらなかったりするようであれば多汗症の可能性があります。
頭部多汗症の原因
頭部多汗症の原因は遺伝や心理的ストレスといわれています。
しかし、具体的に原因を断定するのは難しいのが現状です。エクリン腺と呼ばれる汗腺が原因によって、過剰に働きすぎてしまうため、異常な量の汗が出てしまうと考えられています。
大人になってから頭部多汗症になったという方は、緊張などによるストレスが原因で発症することが多いようです。
顔や頭の多汗症になりやすいタイプとは?
顔や頭の多汗症になりやすいタイプとしては、下記が挙げられます。
- 運動不足の方
- 日頃から汗をかかない方
体温調節のための汗をかくエクリン腺は全身に分布していますが、汗腺は基本的には下半身から衰えていきます。
顔や頭は普段からこまめに動かす部位のため、衰えにくい部分とも言えます。
そのため、全身から出せなくなった汗が一気に顔に集中することになります。
特に精神的な緊張による発汗の場合は、温度調節による発汗と比べ、ミネラル分を多く含みべたつきやすい傾向があります。これは汗の成分として放出されたミネラル分が、汗腺で再吸収の処理が間に合わないためです。
治療法は?
ワキや手足に比べ顔や頭はデリケートな皮膚の特性上、主に下記方法となります。
●塗り薬などの外用薬
or
●ボトックスを使った治療
外用薬を使用した頭部多汗症の治療
頭や顔の発汗をおさえる働きのある外用薬で様子をみることが多いです。また、アセチルコリンと呼ばれる発汗を促す物質をおさえる飲み薬を用いることもあります。プロバンサインなどの薬は保険適用となります。
ボトックスによる頭部多汗症の治療
ボトックスと呼ばれるボツリヌス菌の毒素を使用した治療法を用いることもあります。
注射をするだけでスムーズに行える施術で、メスなどを入れる必要がないため、顔や手足に行える治療方法です。
毒素と聞くと不安に思う方もいるかもしれませんが、身体への負担はほぼなく、さまざまな症状を改善するのに使われています。ワキガの治療やしわの改善で用いられることもあります。
ボトックスも、飲み薬と同様にアセチルコリンの分泌を阻害する働きがあります。
※頭部に対するボトックス治療は原則保険適用ができません。
ボトックス注入は注入後3~4日で効果が現れ、約6ヶ月のあいだ効果が持続します。
ダウンタイムがなく治療時間も短いので忙しい方にもおすすめです。また同時にお顔のたるみも解消できるメリットがあります。
ストレスの解消が不可欠な場合もあります
ホルモンバランスの乱れ、寝不足や不摂生による自律神経の乱れも多汗症を引き起こす可能性があるため、ライフスタイルの見直しも多汗症の改善法になります。
多汗症の方は汗をかいたら帰宅後に必ずシャンプーをするようにしましょう。よく洗髪しなければ、頭皮にいる雑菌が増えてしまいます。するとニオイの原因にもなるので注意が必要です。
多汗症は何科?
煩わしいと感じる汗や多汗症は、上記のような治療法で対処することが出来ます。
多汗症の治療を受けたいと思った際は、「皮膚科」「形成外科」を受診されることをおすすめ致します。
その際、保険治療を行っているクリニックか幅広く治療法を取り扱っているかを事前に確認しておくといいでしょう。また、ボトックス治療の場合は純正の薬剤を使用しているか、ボトックス認定医が在籍しているかなどもHPなどで見ておくと安心です。
多汗症のご相談は当院まで
多汗症は自力で治せないの?とご質問を頂くことがありますが、顔や頭の多汗症の場合、もしかしたら違う重大な病気のサインである可能性もあります。
ただの汗っかきと考えずに、おかしいなと思ったら病院でしっかり診てもらうことをおすすめします。
当クリニックでは、頭部多汗症の方の治療も行っています。患者さんそれぞれの悩みや要望にあわせて、内服薬・ボトックス注射などによる頭部多汗症の対処法のご提案ができます。お気軽にカウンセリングを受けていただけますので、気軽にお立ち寄りください。
衣類のワキガ臭や黄ばみにお悩みの方は、
当院へぜひ一度ご相談ください。
\ 当院オススメ治療「ミラドライ」/
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。