ミラドライは再発する?効果の持続期間と再発率を下げる4つのポイントを医師が解説

【目次】
ミラドライは再発しますか?

ミラドライで壊れた汗腺は再生しないと考えられています。国際多汗症学会(International Hyperhidrosis Society)も、治療後に汗腺は再生しないとしています。組織学的な所見でも、治療11日後に汗腺の壊死、6カ月後に汗腺の減少が確認されています。
それでも「再発した」と感じる方がいます。理由は、1回の照射で残った汗腺が働き続けているからです。
ミラドライは脇の下に無数にある汗腺すべてに、一度で均等にエネルギーを届ける治療ではありません。照射でダメージを受けなかった汗腺は、そのまま活動を続けます。
治療直後はにおいや汗がほとんど気にならなくなり、数カ月経つと少し戻ったように感じる。この現象が「再発」と呼ばれています。厳密には、壊れた汗腺が復活したのではなく、もともと残っていた汗腺の働きを再び感じるようになった状態です。
つまり再発を減らす鍵は、1回の照射でどれだけの汗腺にダメージを与えられるかにあります。照射のレベル、範囲、時間の3つが結果を左右します。
ミラドライの効果は何年くらい持続しますか?
治療から12カ月後も、約7割の方で汗の症状が軽い状態に保たれていたと報告されています。平均38カ月(約3年)追跡した調査でも、発汗量の減少とにおいの軽減が続いていました。
主な研究データを整理しました。
| 調査 | 時期 | 結果 |
|---|---|---|
| 国際多汗症学会のまとめ | 治療後30日 | 89%がHDSS(多汗症重症度スケール)1〜2に改善 |
| 国際多汗症学会のまとめ | 治療後12カ月 | 69%で有効性を維持 |
| 国際多汗症学会のまとめ | ― | 平均発汗量の減少率は82% |
| Le TTMら(2026年) | 治療後12カ月 | HDSSグレード4の割合が68.2%から5.7%に低下。においのVASスコアは6.8から3.0に低下 |
| Nasr MWら(2021年) | 平均38カ月 (12〜52カ月) |
HDSSが平均1.6低下。発汗量61〜70%減、67%の患者がにおいの軽減を実感。54%が制汗剤不要に |
数字を見るとわかるとおり、効果はゼロに戻るのではなく、少しずつ弱まっていくかたちで推移します。「3年で元通りになる」という性質のものではありません。
ただし、12カ月後の時点で約3割の方は、研究で定められた改善の基準を満たしていません。1回で満足できない場合に追加照射を行うのは、この差を埋めるためです。
国際多汗症学会も、より高い効果を目指す場合は約3カ月間隔で2回の治療を行うことを挙げています。
「再発した」と感じる原因は何ですか?
再発したと感じる原因は、次の5つに整理できます。ほとんどは1回目の照射内容に関係します。
- 照射レベルが低かった
ミラドライの出力は1〜5の5段階です。レベルが上がるほど照射時間が長くなり、深い層まで熱が届きます。低いレベルでは浅い層にとどまり、残る汗腺が増えます。 - 照射範囲が狭かった
汗腺は脇毛の生えている範囲より広く分布しています。範囲の設定が狭いと、周囲に汗腺が残ります。治療部位の中心は改善しても、周辺のにおいが気になる状態になります。 - 照射時間が短かった
ミラドライは1ショットあたり一定の時間をかけて照射します。ショット数が少なければ、それだけ照射されない領域が残ります。 - マーキングが不十分だった
照射前には脇のサイズ、毛穴の位置、発汗している箇所を確認してマーキングします。この工程が甘いと、汗腺の多い部分を外して照射することになります。 - もともと汗腺の量が多い体質だった
汗腺の数や分布には個人差があります。量が多い方ほど、1回の照射で残る汗腺の絶対数も多くなります。
5つのうち4つは、治療する側の設定と手技によるものです。クリニック選びが結果を左右するのは、このためです。
再発率を下げるために重要なことは何ですか?

照射レベル・照射範囲・照射時間・麻酔の4点が、1回の照射で壊せる汗腺の量を決めます。それぞれ何を確認すればよいか説明します。
照射レベル
出力レベルが高いほど、深い層の汗腺まで熱が届きます。
ミラドライのマイクロ波照射レベルは1〜5の5段階です。レベルが上がっても出力そのものは変わりませんが、1ショットあたりの照射時間が長くなります。その分、熱が深部まで伝わります。
アポクリン汗腺は皮下脂肪との境界付近に分布します。浅い照射では届きません。
ただしレベルを上げれば痛みや腫れのリスクも上がります。麻酔の技術が伴わなければ、高いレベルでの照射はできません。
照射範囲とマーキング
汗腺は脇毛の範囲より広く分布しています。照射範囲を広く設定するほど、残る汗腺は減ります。
メーカーからは照射範囲を示すテンプレートが用意されています。ただし体格には個人差があり、標準のテンプレートでは覆いきれない方もいます。
照射前のマーキングでは、脇のサイズ、毛穴の位置、実際に発汗している箇所を確認します。ヨードデンプン反応(ヨードテスト)を使って発汗部位を可視化する方法もあります。
照射時間とショット数
照射時間が短いほど、照射されない領域が残ります。
ミラドライの標準的な施術では50〜70ショットの照射を行います。1ショットあたり40秒程度かかるため、照射だけで40分以上、準備を含めると1時間程度が目安になります。
治療時間の目安を事前に確認しておくと、どの程度の照射が行われるか判断できます。
麻酔の技術
麻酔の量と入れ方が、照射レベルの上限を決めます。
ミラドライでは脇の下に局所麻酔を行います。麻酔量が多すぎると熱の伝わり方が変わり、効果が下がります。少なすぎれば痛みを感じ、神経への影響が出るリスクもあります。
適切な量を適切な層に入れる技術があってはじめて、高い出力での照射が可能になります。表に出にくい部分ですが、結果を大きく左右します。
当院ではどのような照射を行っていますか?
当院では、照射レベル・照射範囲・照射時間の3点をすべて最大限に設定して治療を行っています。
- 出力レベル5(最高レベル)で照射
1回の照射効果を高めるため、5段階のうち最大値で治療を行います。これを可能にしているのが麻酔の技術です。 - 中央部分は重ね打ち(2度打ち)
脇の中央は汗とにおいが最も気になる部分です。重ねて照射することで打ち漏らしを抑えます。 - メーカー標準より広い範囲を照射
メーカーから用意されている照射範囲のテンプレートに加え、当院ではさらに広い範囲を設定しています。背の高い方や体格の大きな方にも、体に合わせた照射が行えます。 - 約90分かけて照射
通常60分程度で終わる照射に、約90分の時間をかけています。広範囲かつ重ね打ちを行うために必要な時間です。 - ミラドライ公式認定医が担当
わきが治療の実績を持つ公式認定医のもとで、症状に合わせた治療を行います。
当院では2012年6月から2026年8月末までに4,986件の症例実績があります。2025年はミラドライの初回治療399件、2回目139件を実施しました。1カ月・3カ月・6カ月の検診アンケートでも、効果を実感されているという回答をいただいています。
※治療には内出血・腫れ・一時的な違和感などのリスクがあります。海外の調査では内出血67%、痛み56%、腫れ44%と報告されており、66%が2週間以内、すべてが12週間以内に解消したとされています。効果の感じ方には差があり、複数回の治療をご提案する場合があります。
再発したと感じたらどうすればよいですか?
まず診察を受けて、汗腺がどの程度残っているかを確認してください。状態に応じて次の選択肢があります。
1回目で残った汗腺に対して、もう一度照射する方法です。国際多汗症学会も、より高い効果を目指す場合の選択肢として約3カ月間隔での2回治療を挙げています。当院の保証付きプランでは、3カ月以上経過した後に再度ミラドライの治療を受けていただけます。
脇の下を切開し、アポクリン腺・エクリン腺・皮脂腺を目で確認しながら一つずつ取り除く手術です。ミラドライで満足できる結果が得られなかった場合の選択肢になります。いつも通り腕を動かせるようになるまで10日程度かかります。保険が適用される場合があります。
ボツリヌス毒素製剤を注射し、発汗に関わる神経伝達物質の働きを抑える治療です。汗の量が気になる場合に選択肢となります。効果の持続は半年程度が目安です。
他院でミラドライを受けた後にご相談いただくケースもあります。前回の照射レベルや範囲がわかる資料があれば、診察時にお持ちください。
剪除法なら再発しませんか?

剪除法でも、取り切れなかった汗腺が残ることはあります。目で確認しながら除去するため取り残しは少なくなりますが、ゼロにはなりません。
2つの治療を比較しました。
| 比較項目 | ミラドライ | 剪除法(切る手術) |
|---|---|---|
| 汗腺への作用 | マイクロ波の熱でダメージを与える | 目で確認しながら取り除く |
| 皮膚の切開 | なし | あり |
| 傷跡 | 残らない | 残る |
| ダウンタイム | ほとんどなし。当日から日常生活が可能 | 腕を通常どおり動かせるまで10日程度 |
| 取り残しの可能性 | 照射設定と手技による | 少ないが、ゼロではない |
| 保険適用 | 適用外 | 適用される場合がある |
| 治療時間 | 両脇で約90分 | ― |
傷跡とダウンタイムを許容できるかが、選択の分かれ目になります。学校や仕事を休みにくい方、治療を周囲に知られたくない方はミラドライを選ばれるケースが多くなります。
一方、においが強く、確実性を最優先したい方には剪除法が選択肢になります。どちらが適しているかは、症状の程度と生活の事情によって変わります。診察のうえでご提案します。
ミラドライの再発についてよくある質問は?
2回目の照射は何カ月あければよいですか?
3カ月以上あけてから判断することをおすすめします。照射の効果が落ち着くまでに時間がかかるためです。
治療直後は腫れやむくみで汗が出にくくなっている状態です。この時期に判断すると、実際の効果を見誤ります。1カ月・3カ月と経過を見て、そのうえで追加照射を検討します。
国際多汗症学会も、より高い効果を目指す場合は約3カ月間隔での2回治療を挙げています。当院の保証付きプランでも、3カ月以上経過した後に再度治療を受けていただけます。
2回目の照射は1回目より痛いですか?
2回目の照射時の痛みには個人差があります。1回目の治療後の状態や麻酔の効き方などによって、痛みの感じ方は異なります。
脇の汗を止めると、他の部位の汗が増えませんか?
ミラドライで代償性発汗が起こるという報告はありません。脇の汗腺は全身の汗腺の2%未満とされているためです。
代償性発汗は、交感神経を遮断する手術(ETS)の後に起こることが知られています。ミラドライは神経に作用する治療ではなく、脇の汗腺に限定して熱を加えます。国際多汗症学会も、ミラドライ後の代償性発汗は懸念事項として示されていないとしています。
未成年で受けた場合、成長後に再発しますか?
第二次性徴期を迎える前に治療した場合、その後に汗腺が増えることがあります。
アポクリン汗腺は第二次性徴期に一気に増えます。この時期を過ぎるとそれ以上は増えません。逆に、成長期を迎えたあとに治療すれば、汗腺が新たに増えることはありません。
当院ではミラドライによるわきが治療を10歳からを目安にご案内しています。治療のタイミングについては、成長の段階を確認したうえでご提案します。
ミラドライの再発が不安な場合、どこに相談すればよいですか?

ミラドライの症例数が多く、照射レベル・範囲・時間を事前に説明してくれる医療機関を選んでください。再発率はクリニックの設定と手技で変わります。
カウンセリングで確認しておきたいのは次の3点です。何レベルで照射するのか、どの範囲まで照射するのか、照射にどのくらいの時間をかけるのか。この3つを具体的に答えられるかどうかが、判断の目安になります。
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院では、2012年のミラドライ導入以来、2026年8月末までに4,986件の治療を行ってきました。出力レベル5・重ね打ち・広範囲照射・約90分の照射時間を標準としています。
「他院で受けたが効果を感じられなかった」というご相談も承っています。
滋賀大津石山院・京都四条烏丸院・京都四条河原町院の3院で、完全予約制にてご相談を承っています。
参考文献
- International Hyperhidrosis Society「miraDry(医療者向け情報)」
- Le TTM, Dang NT, Van TT. "Real-World Outcomes of Microwave Treatment for Axillary Hyperhidrosis and Bromhidrosis: A 12-Month Study in a Southeast Asian Setting." Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology. 2026.
- Nasr MW, et al. "A survey of long-term results with microwave energy device for treating axillary hyperhidrosis." Journal of Cosmetic and Laser Therapy. 2021;23(3-4):49-51.
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
日本形成外科学会専門医/日本臨床皮膚外科学会認定医/日本臨床抗老化医学会認定医
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、 大阪赤十字病院形成外科などを経て、平成9年より 大西皮フ科形成外科医院を開業。 2012年のミラドライ導入以来、わきが・多汗症治療を専門的に手がける。

























