ワキガの臭いを抑えるコツ・対策
2023/11/9
汗をかいた後、脇からスパイスのようなツンとした臭いがしたことありませんか?もし硫黄やタマネギ、アンモニアのような臭いがしたら、ワキガを疑った方が良いかもしれません。
男性に多いと思われがちなワキガですが実は女性にも多く、月経や妊娠、出産の際に、一時的に臭いが強まることがあります。遺伝的な要因もありご自身の対策では完全に治らないケースもありますが、臭いを抑制することはできます。
そのまま何もしないでいると、周囲にも気づかれやすくなってしまいますので、今回は、ワキガの臭いを抑えるコツについて解説します。デリケートな問題なだけに、早めに対策を取ってお悩みを軽くしていきましょう。
【目次】
自分でできるワキガ対策と予防とは?
まずワキガをご自分で治せるかについては残念ながら限界があり、病院や美容皮膚科などの医療機関で治療する以外に治すことは難しいといえます。
ワキガの原因は、主にアポクリン汗腺から出る汗に含まれる成分によるものです。これには体質が大きく関係するため、手術や注射などで治療をしない限り根本的な改善には至らないということがほとんどです。
しかしながら、毎日のケアでワキガの臭いをこれ以上悪化させない方法や、少しでも臭いを抑える方法はあります。これからご紹介するのは、それぞれ日常生活を少し改善してできるものなのですので、臭いでお悩みの方は試してみて下さい。
■対策① ワキや衣類を清潔に保つ
汗をかいたらこまめにふき、できるだけ下着や衣類も替えるなどで脇を清潔に保ちましょう。帰宅したらシャワーや入浴で汗を流すのはもちろん、日中汗をたくさんかいた際にはその都度拭き取る習慣をつけること。汗を放置すると、その間に汗に含まれる成分が皮膚の常在菌によって分解され始め、悪臭を放つようになります。
また通気性の良い服を着ることも脇の発汗を抑えるためには大切です。麻や綿など通気性の良い素材の服を選ぶようにしましょう。
■対策② 生活習慣に気をつける
【食生活を見直す】
揚げ物などの油っこい食べ物や刺激の強い料理、脂肪の多いお肉などはワキガの原因となるアポクリン腺を刺激します。汗も出やすくなって、ワキガの臭いが強くなることがあります。特に避けたいのは動物性の脂質です。バターや揚げ物、肉の脂身がそれにあたります。
ただし脂質を完全に断つと皮膚の皮脂膜のバリアが弱り、それも悪臭を放つ原因となりますので、体臭でお悩みの方は、植物系の脂質を摂るようにしましょう。また、香辛料以外にもニラやニンニクにも要注意です。これらの食材は体臭そのものが強くなります。ワキガの臭いがより強くなる恐れがあります。また脂質の多いお菓子、乳製品などの食べ過ぎも避けること。ワキガが気になる場合は、日頃からできるだけ和食を摂るようにしましょう。
一方でタンパク質は減らさないよう、脂の多いお肉を豆類や魚に置き換えるなどで工夫することができます。また、アルコールには汗腺を刺激し分泌を促す働きがあるため、対策としてお酒の量や飲む回数を減らすことも重要です。
【生活を見直す】
運動をする、飲酒やタバコを控える、十分な睡眠を心がけるなど生活の見直しも大切です。体を動かし、よく汗をかくようになれば、アポクリン腺に汚れが溜まるのも防げますので、臭いを抑えることにつながります。汗をかかずにいると老廃物が溜まり臭いが強まります。
積極的に体を動かし、バスタイムに湯船に浸かるなどで汗をかく習慣を作り、水分補給もしっかり行ってきれいな汗が出るようにすることが必要です。
また、タバコを吸うとニコチンが汗腺を刺激して汗が出やすい状態になるため、喫煙は控えましょう。さらに睡眠不足が続くと血流やリンパの流れが停滞しやすく、老廃物が残りやすくなり成分の濃い汗となって臭いがより一層強まります。健康的な生活習慣を身に着ければ、濃い汗が出る原因が減少して、臭いを抑えやすくなるでしょう。
【ストレスを減らす】
不安や緊張する時間が長く、ストレスを強く感じると交感神経が優位になって汗の量が増えます。
ストレスを減らすためには、原因が何なのか振り返ってみましょう。仕事の量や内容、人間関係などそれぞれあると思いますが、それらから上手に避ける方法を見つけてできる限りそこから距離を置いてみて下さい。
さらにストレス発散できる趣味の時間を持ったり、屋外で軽い運動をしてリフレッシュしたり、入浴タイムを充実させたたり、物事を前向きに捉えるように努力し精神的な負担が軽くなるよう努めること。リラックスできるものなら何でも良いので、ご自分に合った方法でコントロールしていきましょう。
■対策③ 制汗剤やデオドラントグッズを使う
臭いが発生しないようにするためには、汗を抑えることも効果的です。その際に制汗剤やデオドラント商品を使うのもおすすめです。最近は制汗剤の種類も豊富ですが、大きく分けて「汗の分泌を抑えるもの」と「殺菌によって臭いの原因を抑えるもの」の2つのタイプがあります。
形状もロールオンタイプ、クリームタイプ、スプレーなど様々ありますので、ご自身で使いやすいものを選べます。汗をかいたらデオドラントシートなどで拭き取り、デオドラント効果や制汗作用のあるクリーム、パウダーなどで発汗を抑えることもワキガの臭いを防ぐ対策になります。
ワキガや多汗症を根本的に治すことはできませんが、汗の量を減らす効果は期待できます。
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。