小・中学生のワキガ対策・治療
2024/03/6
ワキガ症状が現れ始めるのは、だいたい10歳頃からとされています。これは思春期に起こる体の変化「第二次性徴」と密接な関係があるためです。
中学生になると「友達の汗の臭いと違う」、「部活の後で異様な臭いがする」「汗をかかなくても変な臭いがする」ことに悩むお子さんもいます。多感な時期でもあり、できる限り速やかに、周囲に悟られることなく治療したいものですね。
今は「切らない治療」をはじめ様々な方法があります。
学校生活に支障をきたすことなく治療して頂くこともできますので、これからお子様のワキガの原因と小中学生でも受けられるワキガ治療と、ご家庭でできる対策について解説していきます。
【目次】
自分で治せるの?
はじめに、ワキガを自分で治すことができるかについてですが、残念ながら医療機関で治療する以外で治すことはほぼ不可能といえます。
ワキガを治すためには、その原因となる汗腺のアポクリン汗腺を取り除く必要があるため、自分で根本的に改善することはできません。
ただし、これ以上ワキガの症状を悪化させない方法や、臭いを抑えることはできます。
後に対策をご紹介しますので、小学生や中学生でワキガを発症してお悩みの場合は試してみて下さい。
子供のワキガの原因
子供の頃にワキガの症状が出る主な原因は、遺伝によるものと考えられます。
遺伝的に脇の下などにアポクリン腺と呼ばれる汗腺の数が多く、そこから出る汗の量が多いといった体質が原因とみられています。
両親が二人ともワキガ体質だった場合、あるいは多汗症だった場合、その子供にもその体質が引き継がれてしまいやすくなります。また両親のどちらか一方がワキガだった場合も同様です。
子どものワキガに気づくのは、10歳から18歳頃の時期で、いわゆる思春期です。この時期に、男子は声変りやひげが生えるといった変化を体験し,女子は月経や乳腺の発達が見られるようになります。
男性ホルモンや女性ホルモンが急に増え、それによって臭いの発生源となるアポクリン腺が刺激され、タンパク質などの成分が含まれた白く濁った汗が多く出るようになります。
このようなワキガ臭の元となるアポクリン腺の活動は、ストレスや疲労の蓄積、偏食や加工品の食べ過ぎ、肥満、運動不足などによっても活発化しやすくなります。
子供のワキガ対策方法
子供のワキガが発症してしまった…、そんな時にご自宅で早めに対策すれば症状の悪化を抑えることはできます。
アポクリン汗腺を取り除くことはできなくても、ミョウバン水やクリーム、制汗スプレーなどのデオドラント製品の制汗剤を使って汗を減らすといった対策はできるでしょう。
当院でも次のような制汗剤を扱っています。
まず、制汗剤の「パースピレックス」(ワキ用)(手足用)は、汗腺の出口部分に一時的に角栓を形成して汗を減少、または中断させる画期的制汗剤です。
アメリカFDAで30%の発汗抑制効果があれば極めて効果あると認められているところ、 パースピレックスは、65%の発汗抑制効果が実証されています。
そして当院で作成したオリジナル制汗ローション「O.L.」と、制臭クリーム「O.O.」もおすすめします。
「O.L.」は、塩化アルミニウムを20%配合したエタノール溶液で、高い制汗効果のある汗止めローションです。
「O.O.」は、硫酸亜鉛を主成分とする制臭クリームで、O.L.と合わせて使用するとより効果的です。
さらに外用薬の「エクロックゲル」と、サプリメントの「DeoView(デオビュー)」もあります。
エクロックゲルは、日本ではじめて保険適用となった原発性腋窩多汗症外用薬です。 汗腺のアセチルコリンの働きをブロックすることで汗を抑えます。(保険処方・滋賀院のみ)
「デオビュー」は、体の内側から環境を整え気になる臭いのトラブルにアプローチしたエチケットサプリです。
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。