ワキガ対策の市販薬の効果は?
ワキの臭いは、人には相談しづらく、病院に行く前に市販の商品でなんとかしたい方もいらっしゃると思います。ただ、ドラッグストアやネット通販でワキガの薬を探しても、結局は効くのかどうか分からず、途方に暮れてしまうこともあるのではないでしょうか?ワキガ対策でデオドラント商品などを活用するのも良いですが、含まれる成分など正しい知識を用いて活用しなければ、ワキガ対策の効果も期待できません。「制汗剤やデオドラントってワキガに効くの?」と、疑問に思っている方に市販薬の効果やおすすめの治療法を紹介していきます。
【目次】
市販薬の種類と効果は?
市販薬には、汗をかいた際に使う汗拭きシートや汗をかく前に使う制汗剤、手軽に始められるワキガ対策としてワキガクリームなどが販売されています。スプレーや液体などタイプがあり種類も多く、比較的安価で気軽に手にできるのですが、病院での治療のような継続的な効果はなかなか見込めないともいえます。ワキガ臭は、「アポクリン腺」という汗腺から分泌する汗に含まれるタンパク質や脂質を、皮膚に存在する常在菌が分解することで発生します。市販薬は、消臭や制汗を目的としたものとなり、市販のデオドランド剤は香料で発する臭いを一時的に中和して隠すものが多いです。誰でも購入できるため、安全性を考えて効果は病院で処方されるものより低くなってしまうため、市販薬だけではワキガ臭を十分抑えることができない場合があります。
【市販薬の効果とは?】
・制汗作用(汗の分泌を抑える)
・殺菌&抗菌作用(常在菌の働きを抑える)
・一時的な臭いの軽減
当院がすすめる制汗剤とサプリメント
【制汗剤】
〇パースピレックス(オンラインショップはこちら)
パースピレックスは市販のデオドラント剤や制汗剤とは作用が異なり、汗腺の口に一時的な角栓を形成して汗を中断させるものです。含まれる塩化アルミニウムが汗腺内の水と反応して角栓を形成。それが汗腺を閉じて汗を止めます。汗の臭いは、かいた汗の成分を細菌が分解する際に生じますので、汗が減少させれば臭いを抑えることになります。効果が出るまでの1週間ほどは毎晩塗布し、効果が出始めたら週2~3回の頻度で塗っていきます。
〇当院オリジナル制汗ローション「O.L」(診察時の処方のみ)
当院オリジナルとなりますが、塩化アルミニウムを20%配合したエタノール溶液で高い制汗効果のある汗止めローションです。寝る前に汗などを拭いた患部に塗って自然乾燥させます。 1~2週間は毎日ご使用頂き、それ以降は2週間に1度のペースに切り替えて下さい。求めやすい価格で長期使用にも安心。市販薬では効果を感じられなかった方にもおすすめできます。
【サプリ】
〇エチケットサプリ デオビュー
医療機関のみで販売される消臭サプリメントです。乳酸菌や納豆菌、麹菌のほか、植物性原料の鉄クロロフィリン、シャンピニオンエキス、カテキン、LBSカルチャーが配合され、腸内環境を整え、体臭全般や口臭、加齢臭にも効果があります。1日2粒でOKですので、臭いが気になった時のインナーケア用に。
〇アプローラ
ミルク由来のオリゴ糖「ラクチュロース」と、エチケットケア成分「センスピュール」を配合。体の内から臭いの元を改善していきます。ラクチュロースは牛乳に含まれる乳糖を原料にしたオリゴ糖で、腸内でビフィズス菌などの善玉菌を活性化し、悪玉菌が増えるのを抑え、血糖値上昇の抑制も期待できます。
植物や穀物から発酵抽出したセンスピュールは、腸内フローラを改善し、汗臭、体臭を元から抑えます。ほかに米胚芽、大豆発酵抽出物、ユッカ抽出物、キラヤ抽出物などで腸内環境を整え消臭効果があります。1日1包を目安に服用します。
市販薬でワキガが完治することはある?
制汗剤やデオドラント、クリームなどの市販薬は、一時的に汗を止め、臭いを抑えることを期待するものです。臭いを軽くすることはできますが、ただ、やはりワキガは遺伝によるアポクリン汗腺の量によって発症する可能性が高いため、完治させるためにはアクポリン汗腺を除去する必要があり、医療機関で治療を受ける必要があります。正しい対策を行っても臭いが改善されない場合は、ぜひ一度病院で自分に適した治療法を相談することも検討してみましょう。
病院での治療方法
■ミラドライ
ミラドライは、マイクロ波を患部に照射し、その熱によって汗腺を破壊する方法です。切らずに治療が可能ですし、破壊した汗腺は再生することがほぼありません。施術後のダウンタイムがほとんどないので、体に負担をかけません。現在のワキガ臭や多汗症の治療法では、効果とダウンタイムの両面に優れたバランスを発揮している最新の治療法といえます。
■剪除法
剪除法とはワキのしわに沿って2~3cm切開して皮膚を反転し、ニオイの原因となるアポクリン腺を直接目で見ながら取り除いていく方法です。ワキガ手術では最も効果があり確実な治療法です。100%の完治を求める方や、それほどは求めない方に合わせ、除去を調節します。ダメージを最小限に抑えた除去法や工夫も行われています。
■ボトックス
ボトックスは、ボツリヌス菌が作るタンパク質から生成された薬で、交感神経から汗腺への情報伝達を遮断する作用があります。これを脇に注射することで発汗量を減少させる治療法です。個人差がありますが、注入してから2~3日ほどで汗が抑えられ、約半年間ほど持続します。効果を維持するためには、4ヵ月以上の間隔を空けて投与が必要です。
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。