汗による化粧崩れ対策
2023/07/3
気温や湿度の上昇とともに私たちを悩ませる汗。特に、汗っかきと印象づけてしまうのが顔の汗によるメイク崩れではないでしょうか。額から汗が流れてファンデがよれたり、アイメイクやマスカラが滲んだり、鼻の頭に汗をかいてマスクに付いたり…。そんな顔汗によるメイク崩れのお悩みは、いち早く対策したいですね。
ここでは、汗を気にすることなく過ごせるようなお化粧のコツをお伝えしながら、汗を抑える方法やおすすめの治療法ボトックスについても解説します。
【目次】
汗をかいても崩れにくいメイクのコツ
市販薬には、汗をかいた際に使う汗拭きシートや汗をかく前に使う制汗剤、手軽に始められるワキガ対策としてワキガクリームなどが販売されています。スプレーや液体などタイプがあり種類も多く、比較的安価で気軽に手にできるのですが、病院での治療のような継続的な効果はなかなか見込めないともいえます。ワキガ臭は、「アポクリン腺」という汗腺から分泌する汗に含まれるタンパク質や脂質を、皮膚に存在する常在菌が分解することで発生します。市販薬は、消臭や制汗を目的としたものとなり、市販のデオドランド剤は香料で発する臭いを一時的に中和して隠すものが多いです。誰でも購入できるため、安全性を考えて効果は病院で処方されるものより低くなってしまうため、市販薬だけではワキガ臭を十分抑えることができない場合があります。
【市販薬の効果とは?】
・制汗作用(汗の分泌を抑える)
・殺菌&抗菌作用(常在菌の働きを抑える)
・一時的な臭いの軽減
汗をかいた時のメイク対処法
次に紹介するのは、汗でメイクが崩れてしまった時の対処法です。これからの汗かきシーズンに参考にしてみて下さい。
■保冷剤で首元や脇を冷やす
メイク直しをする前に、汗を拭いて、まずは冷やして体温を下げましょう。
肌の温度が高いと汗が止まらず、ファンデも綺麗に乗りません。保冷剤や冷たいペットボトルを用意し首元や脇に当てて冷やします。
首の横や脇には太い動脈が通っており、ここを冷やせば素早く効率良く下げることができます。
■メイク汚れや汗、油分をオフ
汗が引いたら、メイク汚れと汗、皮脂を拭き取ります。アイメイクやほうれい線は綿棒で、Tゾーンや頬などは、柔らかいティッシュで取り除いて整えましょう。
アルコールを含むウェットティッシュを使うのは避けましょう。
■化粧水、乳液を補う
肌を整えたら、化粧水で肌に水分補給をしてあげて下さい。その後は乳液で油分を補給してから、ファンデやパウダーでお肌を仕上げます。
汗をかきやすいのは、多汗症の可能性も
制汗剤やデオドラント、クリームなどの市販薬は、一時的に汗を止め、臭いを抑えることを期待するものです。臭いを軽くすることはできますが、ただ、やはりワキガは遺伝によるアポクリン汗腺の量によって発症する可能性が高いため、完治させるためにはアクポリン汗腺を除去する必要があり、医療機関で治療を受ける必要があります。正しい対策を行っても臭いが改善されない場合は、ぜひ一度病院で自分に適した治療法を相談することも検討してみましょう。
額からの汗を防止する治療
多汗症は日常生活に支障が生じたり、精神的なストレスになったりすることも少なくありませんので、適切な対処法を取ることが大切です。
通常はそういった場合の治療にはボトックス注射を行います。
■ボトックス注射
ボトックスは、ボツリヌス菌からタンパク質だけを抽出した薬剤です。
それを注射で注入すると、発汗を促す伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑制する作用が働きます。その結果、汗腺の働きを鈍くし汗を抑えられ、多汗症の症状を改善します。
額のボトックスは、生え際から2㎝~5㎝ほど髪の中の範囲まで、前頭部から耳の上あたりまで注射をします。
注射した部分の汗が減少するので、日常的に今までよりは快適に過ごせるようになります。
ボトックスは短時間ででき、傷跡も残らず手軽に受けて頂くことができますので、手術に抵抗がある方やお忙しい方におすすめです。
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。