ミラドライの失敗談はホント!?失敗しないためには
2022/10/18
半永久的な効果を発揮するミラドライの治療について多くの方が不安に思うことが『再発の可能性』でしょう。「またニオイが戻ってきたら嫌だな」「せっかく安くないお金を払っているのに、治らなかったらたまったものじゃない」と、治療を真剣に考えている方ならこう思うのは当然だと思います。ネットを覗くと、間違った情報や医師ではない人が書いた不確かな情報が溢れていて、中には他治療の商業目的に、ミラドライの再発を煽るような記事まで見られます。これでは真剣に治療を考える人は困惑するばかりです。
【目次】
ネットでよく見る失敗談
脇の臭いがコンプレックスで、ミラドライをうけました。最初はほぼ汗もかかず快適でしたが、半年くらいで効果はなくなり、元に戻りました。高いお金を払ったのに効果がすぐなくなり、やったことを後悔しています。(20代女性)
大量の脇の汗に悩み、メスを使用しないでできるミラドライをしました。受けた後も汗の量はまったく変わらず、効果がありませんでした。金額の高い治療だったので、やらなければ良かったととても後悔しています。(20代男性)
100%効果を発揮するわけではない?
多汗症やわきが治療として、すっかり有名になったミラドライですが、手術を含め他の治療法と同様に、100%汗や臭いがなくなってしまうわけではありません。しかしミラドライ治療後は多くの方が、汗も臭いもほぼ0(ゼロ)になったと感じられます。ところが、2,3ヶ月経過すると、20~30%汗や臭いが戻ってきます。そのため多くのクリニックでは1回のミラドライ治療では70~80%の効果を説明しています。しかし、患者様は一旦ゼロになった汗や臭いが20~30%戻ってしまうために「元に戻った」と感じられる方もおられます。
汗も臭いも定量的に計測するのが大変難しいです。結局のところその方の感じ方によるところが大きいです。しかしながらミラドライ治療は日本でも5年以上の歴史があり、症例数も数万例になっています。
さらに、大学病院での研究でもミラドライ治療後、汗腺が不可逆的に変性しているのが組織標本でも証明されていますので「元に戻る」という事はあり得ません。
ミラドライは再発する?なぜ再発するの?
結論から申しますと、ミラドライ治療後のわきがや多汗症の再発の可能性は0ではありません。ただ、全ての患者さんが再発するという訳ではありません。
ミラドライは電子レンジに使われるマイクロ波によって、ニオイの原因となる汗腺細胞を破壊していく治療です。マイクロ波を発する機械を脇に当てマイクロ波を照射していきます。汗腺は破壊されると二度と再生しないので、理論上はミラドライ後、再発することはありません。しかし、マイクロ派が充分に照射できていなかったり、照射できていない箇所が発生した場合、ニオイのもととなる細胞は破壊されません。結果、汗腺細胞が残ってしまい、治療後に症状が再発してしまうということになるのです。
ですので、結論として、医師の適切な処置がなされなかった場合に、症状の再発が起こります。全てのミラドライ治療で症状の再発があるわけではないのです。逆に充分なマイクロ派を適切に照射できていれば、再発の可能性は限りなく0に近づけられます。
病院選びでおさえておくべきポイント
1.技術力・症例実績
適切な照射はレベル設定の調節など、医師の腕と経験により大きく左右されるので、十分な経験を積んだ、信頼できる医師のいるクリニックで治療を受けることが大切です。多数の長期的な症例経験があるクリニックかどうか確認をするようにしましょう。
2.アフターケア
ミラドライの再発リスクに向き合っているクリニックを選びましょう。多くのクリニックでは1回のミラドライ治療では70~80%の効果を説明しており、必要であれば2度目の治療を受けた方がいい場合があります。ミラドライは2回目以降も治療が可能です。最初から再発の可能性まで配慮し、2回目の治療を含めた治療プランを設定しているクリニックもあります。
3.料金
2回目の治療を1回目と比べ得て格安で処置してくれるクリニックもあります。おおよそ3/1程度ですので、治療のハードルは比較的低いかと思います。
患者さんのことを考えて2回目の料金設定をしているクリニックもあります。
医師のコメント
ミラドライは再発の可能性は0ではありません。医師の経験と腕により再発のリスクが大きく変わってきますので、HPなどで経験豊富な医師が在籍しているかを確認しておくことが、いいクリニック選びの最も重要なポイントです。そして、最後まで患者さんのことを考えて料金プランなどを設定しているクリニックを選ぶと、安心して治療が進められるでしょう。ニオイの悩みはわきがや多汗症でなくても、とても気になるものです。勇気を持って治療する際には、信頼できるクリニックを是非とも選びたいですよね。悩みと一緒に向き合ってくれる素晴らしい医師と出会えることを願っております。
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。