小・中学生のわきが治療。切らずに直せる方法があります。
わきがは早ければ小・中学生でもニオイが強くなります。もし小・中学生のお子さまがいて、本人がわきが臭について悩んでいるとしたら大変な問題です。
小・中学生のわきがはどのように治療するのがベストなのでしょうか?切らずに治せる方法をご紹介します。
小・中学生のわきが治療にはミラドライがおすすめ
そもそもなぜ小・中学生でもわきがになってしまうのかというと、体が成長しているためです。わきがの原因となるアポクリン汗腺は誰の体にもあるものですが、わきがの方はこのアポクリン汗腺が活発化しています。
アポクリン汗腺は大人になるとイクラほどの大きさになりますから、成長すると子どもでもそこから発生するニオイが強くなっていくのです。わきが臭はいじめの原因になりやすいため、お子さまが悩んでいる様子を見せたら早めに対処したほうがよいでしょう。
わきが治療の方法はいくつかあります。クリニックに相談するとニオイ対策の方法なども含めた詳しい説明を受けられるでしょう。小・中学生の場合は学校へ行っていますから、学校でのニオイ対策は欠かせません。
軽度のわきがならミョウバン水やデオドラント、制汗スプレーでニオイを減少させることができます。しかし、根本的な解決にはなりません。アポクリン汗腺に直接はたらきかける方法ではないからです。
たとえ軽度のわきがだとしても、体育の授業など汗が気になるシーンのたびにニオイ対策をしなければならないのはストレスではないでしょうか。
わきがを本格的に治療するなら根本的な手術をおすすめします。中でも、ミラドライは小・中学生のお子さまに適した治療法です。詳しく解説します。
ミラドライがおすすめな理由
わきが治療では直視下手術法である剪除法が有名です。保険適用されるケースが多いです。治療費の負担が少ない手術ですが、メスでわきの下の皮膚を切開する必要があります。
剪除法ではわきの皮膚を裏返したあと、医師が直視下でアポクリン汗腺を一粒ずつ除去していきます。そのためわきがの再発率が低いです。
しかし、小・中学生のアポクリン汗腺には未発達のものも存在します。医師の目にも見えないようなアポクリン汗腺を除去しきれずわきが臭が再発するケースもあるようです。
また、剪除法のデメリットは手術痕が残り、しばらくは傷跡を保護しなければならない点です。さらに、わきにガーゼをしっかり固定する際タイオーバーと呼ばれる独特の痛みも発生します。
手術痕や痛みといったデメリットを考慮すると、患部を切るわきが治療は小・中学生向きではないでしょう。
小・中学生におすすめのわきが治療はミラドライです。ミラドライの治療法はわきの皮膚にマイクロウェーブを照射し、アポクリン汗腺を熱破壊するというものです。
手術中に痛みが出ないよう局所麻酔はしますが、皮膚を切開しないため感染症のリスクがなく安全です。マイクロウェーブを照射した範囲の汗腺にはたらきかけるので、目視では見逃されるような未発達の汗腺も破壊できます。
ミラドライにもデメリットはある?
切らずに治せるミラドライですが、デメリットはあるのでしょうか?
一つは保険適用外になるという点です。わきが治療の際に手術痕が残らないようにするのは審美性を重視した方法でかつ最先端の治療のため現在のところ保険適応外となっています。
そのため治療は自費治療になります。ミラドライは保険適用されやすい剪除法と比較すると治療費の負担が大きいです。
ミラドライには副作用もあります。切らずにできるとはいえ汗腺を熱破壊するわけですから、術後につっぱり感、赤み、腫れなどは発生します。ただしこれらは数日~数ヶ月程度で消えるものなので、手術のように傷跡が残るわけではありません。
マイクロウェーブの出力がどの程度ならお子さまの体の負担にならないかなど、治療前に医師のカウンセリングを受ければ納得して治療を受けることができます。
また、ミラドライによるわきがの完治率1回では70~80%と言われています。1回では完全には汗腺を除去できない点に不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、2回目の治療を行なうと約90%の完治率とされています。
治療は早い方が◎
小・中学生のわきが治療を早くしておけば、本人が学校で悩んだりいじめにあうリスクが減ります。ミラドライによるわきが治療の効果は半永久的に持続します。手術は数十分程度で終わり術後のダウンタイムも短いので、早めの治療をおすすめします。
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。