ワキガ治療で皮膚科に行くのが恥ずかしいと思っているあなたへ
2018/01/30
みなさんはどこか体の調子が悪いときどうしていますか? 例えば風邪の症状が出たら薬を飲んだり、病院に行って診察してもらう方がほとんどでしょう。
もしかするとちょっと風邪気味で……と、誰かに話すだけで気持ちが楽になるという方もいるかもしれませんね。気になるワキガのことも皮膚科に相談してみませんか?
【目次】
■普段から恥ずかしい思いをするけれど、病院に行く勇気も出ない…
香水のニオイを嫌がる方がいるように、公共の場所などでかぐニオイには悩まされることがあります。服や体を洗っていないときも悪臭を感じてしまうものですが、ワキガの方の場合は清潔にしていてもニオイが出てしまうのです。
自分の体からイヤなニオイが漂う不安ははかりしれないものです。
というのも、小さい子どもはワキガ臭でイジメを受ける可能性があるためです。ワキガ臭は早ければ小学校低学年で発臭します。
いじめっ子はよく「クサイ」といって特定の子どもを仲間外れにしますが、本当に自分の体からイヤなニオイがしていると知った子どもは強いショックを受けるでしょう。
ワキガの子どもは自分ではワキガ臭を消すことができない以上、まわりの子どもにいじめられないために人の輪から外れるようになります。すると学校で孤立し、自己否定感を募らせてしまうのです。
大人のワキガで直接的なイジメを受けることはないかもしれませんが、羞恥心から無意識のうちに人を避けるようになってしまっている方もいるでしょう。
かといって、ワキガ治療のために病院に行くと何をされるかわからなくて怖い。病院に行って治す勇気が出ない。ワキガについて人に相談したら嫌われてしまうのではないか……?
■ワキガは皮膚科で治せます
このように、普段からワキガについて思い悩んでいる方が多い印象です。しかしワキガは体質ですから、改善できるものです。ワキガは治せるものだと思ってほしいです。
ワキガは皮膚科で治療できます。
ワキガ治療の際にどの病院に行けばいいのかわからないという方は、ワキガを治すにはまず皮膚科を受診すれば大丈夫と覚えておいてください。症状のレベルによってその後の治療法が変わります。
ワキガ治療ではカウンセリングが重要視されています。
衣服のニオイなどからワキガの程度を診察し、患者さんの希望に沿った治療法をご提案したあとに治療するのがワキガ治療の大まかな流れです。
ワキガの主な原因はアポクリン汗腺から出る汗です。アポクリン汗腺から出た汗を皮膚にすむ常在菌が分解すると独特なニオイが出ます。アポクリン汗腺は誰にでもあるものなので、ワキガは病気ではありません。
ワキガになる方はアポクリン汗腺が大きかったり、過剰に働いてしまっているためニオイも人より強くなってしまうのです。
皮膚科では患者さんのワキガの原因を特定し、ご希望の方法で治療していきます。
手術による治療は手術痕が残るケースが多いですが、ボトックス注射や電気凝固法・ミラドライなどの傷の残らない・残りにくい治療法もご提案できます。
■毎日辛い思いをするよりも、まずは相談してみませんか?
最初にお話したように、ワキガ臭が発臭する年齢はだんだん低くなってきています。なぜでしょうか?
一説には食の欧米化が進んだ結果、若い世代のアポクリン汗腺が大きくなっているためだと言われています。昔はワキガ臭は思春期のホルモン分泌が盛んになる時期に強くなりやすいというのが定説でしたが、時代により本人たちの知らないところでワキガに悩まされる確率が高くなっているのです。
軽度のワキガであれば市販の肌に塗るタイプのデオドラント剤や、衣類に塗布するタイプの消臭剤の使用で対応できます。
手術が受けられない時期の子どもにも対処しやすい方法です。皮膚科にご相談いただければ、ワキガ対策におすすめの商品を紹介することも可能です。
ワキガではないのに自分や家族など、身近な人の体臭が気になってしまう方もいるようです。
ワキガかも?と思うだけでもけっこうなストレスになります。どのような状態でも、少なくともご自身のニオイが気になったときは専門家に相談するだけでも悩みが減るのではないでしょうか。
すぐにワキガの治療をはじめるわけではなくとも、皮膚科はあなたの助けになるはずです。まずはカウンセリングだけでも受けてみませんか?
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、大阪赤十字病院形成外科、社会保険広島市民病院、角谷整形外科病院、冨士森形成外科医院を経て、平成9年より大西皮フ科形成外科医院を開業。