冬のワキガはなぜ臭う?夏より強くなる原因と対策・治療法を解説

冬のワキガはなぜ夏より臭いが強くなるのですか?
冬のワキガ臭が強くなるのは、汗の量が減って一回分の汗が濃くなるからです。汗をかく機会が減ると、汗に含まれる老廃物や皮脂の濃度が高まります。
さらに冬は厚着で脇の下の通気性が落ちます。汗が乾かず湿った状態が続くと、皮膚の常在菌が繁殖しやすくなります。ワキガ臭は、この菌が汗の成分を分解するときに発生します。
つまり冬は「濃い汗」と「菌が増えやすい環境」がそろう季節です。夏より汗の量は少ないのに、臭いは強く感じられます。
やっかいなのは、臭いが衣類にこもる点です。セーターやコートの内側にたまった臭いは、アウターを脱いだ瞬間に一気に放たれます。自分では気づきにくく、人に指摘されて初めて自覚する方も少なくありません。
冬こそワキガ対策が必要な理由は、ここにあります。
冬の汗と夏の汗は何が違うのですか?

冬の汗は、夏の汗よりミネラルや老廃物の濃度が高くベタつきます。汗腺の働きが季節によって変わるためです。
エクリン汗腺は、汗を出す前に導管でナトリウムイオンを再吸収し、塩分濃度を下げてから体外に排出します。この再吸収機能は、汗をかく習慣があるほど高まります(公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」)。
冬は発汗の機会が減るため、この機能が働きにくくなります。結果として、ミネラルを多く含んだベタつく汗になります。
| 比較項目 | 夏の汗 | 冬の汗 |
|---|---|---|
| 汗の量 | 多い | 少ない |
| 汗の質 | サラサラ | ベタつく |
| ミネラル・老廃物の濃度 | 低い | 高い |
| 乾きやすさ | 乾きやすい | 乾きにくい |
| 衣類の通気性 | 良い | 悪い(重ね着) |
| 雑菌の繁殖しやすさ | 中程度 | 高い |
| 臭いの強さ | 中程度 | 強く感じやすい |
夏の汗がサラサラしている理由
夏の汗がサラサラしているのは、「エクリン汗腺」の再吸収機能が十分に働いているからです。
エクリン汗腺は唇やまぶたなど一部を除く全身にあります。分泌される汗の約99%は水分で、残りはナトリウムや尿素などです。水分が多いため乾きやすく、臭いも気になりにくい状態です。
運動後の汗(温熱性発汗)や、辛い物を食べたときの汗(味覚性発汗)は、このエクリン汗腺から出ています。
冬の汗がベタつく理由
冬の汗がベタつくのは、発汗量が減って汗腺の再吸収が追いつかなくなるためです。
ここで注意したい誤解があります。「アポクリン汗腺は冬だけ働く」という説明を見かけますが、これは正しくありません。アポクリン汗腺は季節で活動が切り替わるものではありません。
「アポクリン汗腺」は脇の下や陰部などに限られた汗腺で、第二次性徴期以降に活動が活発になります。分泌される汗にはたんぱく質や脂質が含まれ、皮膚の常在菌に分解されるとワキガ特有の臭いが生まれます。
冬に臭いが強まるのは、アポクリン汗腺が増えるからではありません。汗の総量が減ることで、相対的に濃い汗が皮膚に残り続けるからです。
冬にワキガ臭が強くなる原因は何ですか?
冬にワキガ臭が強くなる原因は、次の5つです。どれか1つではなく、複数が重なることで臭いが増幅します。
- 水分摂取量が減る
気温が下がると喉の渇きを感じにくくなります。体内の水分が減ると、汗の成分が濃縮されます。 - 汗をかく機会が減る
運動量が落ち、汗腺の再吸収機能が低下します。ミネラル濃度の高いベタつく汗になります。 - 厚着で通気性が落ちる
重ね着やヒートインナーで脇の下が高温多湿になります。雑菌が繁殖しやすい状態です。 - 衣類に臭いが蓄積する
冬物は毎日洗えないアイテムが多く、繊維に臭いが残ります。アウターを脱いだ瞬間に放たれます。 - 暖房環境で不意に汗をかく
電車や店内、こたつなどで急に発汗します。汗をかいた自覚がないまま放置されがちです。
とくに4つ目の「衣類への蓄積」は見落とされがちです。ニットやコートは洗濯の頻度が低く、臭いの発生源そのものになります。脇の下に汗取りパッドを使う、インナーを毎日替えるといった対処が有効です。
冬のワキガは自分で対策できますか?

冬のワキガ臭は、生活習慣の見直しで軽減できます。汗の濃度を下げ、雑菌が増えにくい環境をつくることがポイントです。今日から取り入れられる方法を5つ紹介します。
こまめな水分補給
時間を決めて水分をとることが最も手軽な対策です。喉の渇きを感じる前に飲むのがコツです。
冬は夏に比べて水分摂取量が大きく減ります。1日の目標量を決め、食事のときに多めに飲む習慣をつけましょう。冷たい飲み物より温かい飲み物のほうが、体を内側から温めて新陳代謝を高められます。
意識的に汗をかく
運動やサウナで定期的に汗を出し、濃くなった汗を排出しましょう。汗腺を使うことで再吸収機能が回復します。
十分に水分をとったうえで、ウォーキングや軽い運動、岩盤浴などを取り入れてください。週2〜3回でも、汗の質は変わってきます。
湯船にゆっくり浸かる
シャワーで済ませず、湯船に浸かって毛穴を開きましょう。老廃物の排出が促されます。
汗腺を詰まらせず清潔に保つことは、ワキガ対策の基本です。38〜40度程度のぬるめのお湯に10〜15分浸かる方法が続けやすくおすすめです。
インナーの素材を見直す
吸湿発熱素材のインナーは、汗を吸いきれず蒸れる場合があります。綿やウールなど吸湿性・通気性の高い素材に替えましょう。
ヒートインナーはレーヨンやポリエステルなどの化学繊維でできています。汗の量が多いと吸収が追いつかず、脇の下が蒸れて雑菌の温床になります。汗をかきやすい方は、脇部分だけでも通気性の高い素材を選んでください。
食生活を改善する
動物性脂肪の多い食事を控え、野菜や魚を増やしましょう。汗に含まれる脂質を減らせます。
肉の脂は血流を悪くし、中性脂肪やコレステロールを蓄積しやすい状態をつくります。汗に含まれる老廃物や脂質が増えると、臭いも強まります。チーズやバターなどの摂り過ぎにも注意しましょう。
冬なのに脇汗をかくのは病気ですか?
気温に関係なく脇汗が続く場合、原発性腋窩多汗症の可能性があります。日本皮膚科学会のガイドラインによると、日本での原発性腋窩多汗症の有病率は5.9%です。20〜49歳では局所多汗症全体の有病率が10%を超えます。
診断の目安は、明らかな原因がないまま6カ月以上、局所的に過剰な発汗が続いていることです。そのうえで次の6項目のうち2項目以上に当てはまる場合、原発性局所多汗症と診断されます。
- 最初に症状が出たのが25歳以下である
- 左右対称に発汗がみられる
- 睡眠中は発汗が止まっている
- 週1回以上、多汗のエピソードがある
- 家族歴がある
- 日常生活に支障をきたしている
冬でも脇汗が気になる方は、体質の問題として片づけず一度ご相談ください。ワキガと多汗症は原因となる汗腺が異なるため、症状に応じて治療法を選びます。
出典:日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」日皮会誌133(13):3025-3056, 2023
セルフケアで改善しない場合、どんな治療がありますか?

セルフケアで改善しない場合、汗腺そのものに対する医療的な治療が選択肢になります。当院で受けられるわきが・多汗症治療は次の4種類です。
マイクロウェーブを照射し、切らずにアポクリン汗腺・エクリン汗腺にアプローチする治療です。皮膚を切開しないため傷跡が残らず、ダウンタイムもほとんどありません。治療時間は両脇で60〜90分程度で、当日から日常生活を送れます。当院では2012年6月から2026年8月末までに4,986件の症例実績があります。
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脇の下を3〜5cmほど切開し、汗腺を目で確認しながら一つずつ取り除く手術です。入院は不要ですが、1〜2週間は脇を締めて上半身を安静に保つ必要があります。傷跡は徐々に目立たなくなるものの、基本的に生涯残ります。
注射で発汗を抑える治療です。手術に抵抗がある方、症状が軽度の方、一時的に汗の量を抑えたい方に向いています。治療時間は5分程度と短時間です。効果は半年程度が目安で、継続するには定期的な通院が必要になります。
体の内側から臭いのケアを行う方法です。手術や注射に踏み切る前の選択肢として、また治療後のセルフケアとして併用いただけます。臭いの原因そのものを取り除く治療ではありません。
治療法ごとのダウンタイムや効果の持続期間は、比較ページで一覧にまとめています。料金の詳細はカウンセリング時にご案内します。
当院のミラドライ治療の4つの特徴
当院では照射レベル・照射範囲・照射時間の3点にこだわり、打ち漏れを抑えた治療を行っています。
- 最高レベルで照射
ミラドライにはエネルギーレベルが5段階あります。レベルが上がるほど照射時間が長くなり、より深い層まで届きます。当院では多数の経験にもとづき、レベル5で治療を行います。 - 中央部分は重ね打ち(2度打ち)
脇の中央は汗と臭いが最も気になる部分です。重ねて照射し、打ち漏れを抑えます。 - 広範囲を照射
照射範囲が狭いと、周辺の汗と臭いが残ります。当院では約90分の時間を確保し、広範囲に照射します。 - ミラドライ公式認定医が担当
わきが治療の実績を持つミラドライ公式認定医のもとで、症状に合わせた治療を行います。
※治療には内出血・腫れ・一時的な違和感などのリスクがあります。効果の感じ方には差があり、複数回の治療をご提案する場合があります。
ワキガ治療は冬に受けたほうがよいですか?
冬はわきが治療を受けやすい季節です。厚着で治療部位が目立ちにくく、汗をかく量も少ないため、術後の過ごし方に無理がありません。
冬に治療を受けるメリットは3つあります。
- 周囲に気づかれにくい
長袖やアウターで脇まわりを自然に隠せます。腫れが出ても目立ちません。 - 術後の汗の管理がしやすい
発汗量が少ない季節のため、治療後の脇を清潔に保ちやすくなります。 - 夏に間に合う
効果の実感には時間がかかる場合があります。冬から始めれば、汗が気になる季節までに落ち着いた状態で迎えられます。
ミラドライは切らない治療のため、術後の安静を必要としません。仕事や学校を休まずに受けられる点も、予定を組みやすい理由です。
治療の流れや当日の持ち物は、専用ページにまとめています。
冬のワキガはどこに相談すればよいですか?

わきが治療の実績があり、複数の治療法を扱う医療機関を選んでください。セルフケアで軽減できる範囲には限りがあり、体質そのものに対しては医療的な治療が必要になります。
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院では、切らないわきが治療「ミラドライ」を2012年から導入しています。2026年8月末までの症例実績は4,986件です。2025年はミラドライの初回治療399件、2回目139件を実施しました。
1カ月・3カ月・6カ月の検診アンケートでも、効果を実感されているという回答をいただいています。
「冬だけでなく一年中臭いが気になる」「セルフケアを続けても変わらない」という方は、一度カウンセリングにお越しください。症状を確認したうえで、適した治療法をご提案します。
滋賀大津石山院・京都四条烏丸院・京都四条河原町院の3院で、完全予約制にてご相談を承っています。いずれも駅前の立地で、雨の日も濡れずにご来院いただけます。
参考文献
- 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(2023年12月一部改訂)」日本皮膚科学会雑誌 133(13):3025-3056, 2023
- 公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」運動の良い汗と悪い汗
記事監修
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大西 勝 院長
医療法人 大美会 大西皮フ科形成外科医院
日本形成外科学会専門医/日本臨床皮膚外科学会認定医/日本臨床抗老化医学会認定医
国立香川医科大学医学部卒業後、京都大学付属病院形成外科、 大阪赤十字病院形成外科などを経て、平成9年より 大西皮フ科形成外科医院を開業。 2012年のミラドライ導入以来、わきが・多汗症治療を専門的に手がける。




















