多汗症について
多汗症とは
ふだん私たちの体は、汗をかくことで皮膚の乾燥を防いだり、暑さを感じた場合は熱を発散させて体温を調節しています。また、興奮や緊張など精神的または感覚的な刺激で汗をかくこともあります。
通常の発汗や体質的な汗かきというのではなく、過剰な汗で日常生活に支障をきたす状態を多汗症といいます。たとえば、汗が指からぽたぽたと落ちる、筆記をする時に紙が湿って書けなくなる、衣服の汗じみが冬でも気になる、常にタオルが手放せないなどの症状があります。
多汗症には、全身の汗が増える全身性多汗症と、脇、手足、顔など体の一部に汗が増える局所性多汗症があります。多くの場合、小児期から思春期にかけて発症し、社会人になった後も続く傾向にあります。健康保険の治療ができるケースも多いですが、多汗症があまり知られておらず、そのまま何もしていなかったり、デオドラント剤などで対処している方もいらっしゃいます。
もし、過度な発汗で社会生活や学校生活を送りにくいという悩みをお持ちでしたら、早めに皮膚科を受診することをおすすめいたします。気になる部位に応じた治療で多汗症を改善しましょう。
多汗症の原因
原因その1
体の機能は自律神経によってコントロールされており、 活動している時に優位になる交感神経と、リラックスしている時に優位になる副交感神経があり、ふだんはそれらがバランスを取り合っています。このバランスが乱れて、 発汗に関わる交感神経が、本来は発汗する必要のない時にまで活発になりすぎて、過剰に汗をかくといわれています。
原因その2
ほかに、ストレスや不安、女性の場合は月経などによるホルモンバランスの乱れに関わっているともいいます。
原因その3
多汗症の治療
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case1脇には、手術なしで効果が半永久的に続く「ミラドライ」
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傷あとも残らず、効果的な治療が可能!
脇の多汗症にはマイクロウェーブを照射する「ミラドライ」で治療します。汗を出すアポクリン腺とエクリン腺という2種類の汗腺にダメージを与えて発汗機能をとめ、多汗を解消する最先端の治療方法です。施術中は冷却しながらマイクロウェーブを照射することで、お肌への影響を防ぎます。切開をしないので傷あとは残らず、治療当日から日常生活を送れ、周りに気づかれる心配もありません。効果のあらわれ方には個人差がありますが、多くの場合は治療のすぐ後から効果を実感でき、半永久的に続きます。
また当院では、ミラドライを最高レベルの出力でかつ広範囲に照射し、また必要に応じて重ね打ちも行ないます。そのため1回の照射で高い満足を得られ、効果的な治療を受けていただけます。 -
case2ワキガ・多汗症の最終系!匂いを根絶したい方へ
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剪除法(せんじょほう)は最も確実な
ワキガ・多汗症治療!腋の下の皮膚を切開し、エクリン腺、アポクリン腺、そして皮脂腺までも熟練の医師がしっかり目で見て確実に一つひとつ取り除いていきます。ミラドライや超音波吸引法では全ての汗腺を取り切れず、皮脂腺も残るため、臭いのもととなるアポクリン腺が再生してしまうこともあります。それに引き換え、剪除法は物理的に確実に臭いのもとを潰していくため、再生は少なくなります。
ダウンタイムは他の療法に比べれば長く、いつも通りに腕を動かせるようになるまで10日程かかりますが、術後の跡などは医療技術の進化により大分目立たなくなりました。また、保険も効きかつ1回で臭いが気にならなくなるのであれば、一番経済的な治療法と言えます。 -
case3幅広い部位に対応でき、短時間で済む「ボトックス」
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メスを使わず、スピーディーな治療が可能!
脇、手足、顔などの多汗症に対応するのが「ボトックス」療法です。ボツリヌス菌を注射して、汗を出す働きのあるアセチルコリンという神経伝達物質をブロックして発汗を抑えます。ボツリヌス菌は局所的に筋肉の動きを弱める働きがあり、しわの治療などにも使われているものです。
この治療方法はメスを使わず、注射でスピーディーに施術できるのが特徴です。治療時間が短いので、お忙しい方にも適しています。
ボトックスの効果はずっと続くわけではなく、持続期間はだいたい6カ月ぐらいなので、継続的な治療が必要です。自費診療の場合と、保険が適用されるケースがあります。 -
case4手のひらや足の裏には「イオントフォレーシス」
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痛みもなく、低価格で治療が可能!
手足の多汗にお悩みの方に適している、欧米では一般的な治療法が「イオントフォレーシス」です。患部を水に浸し、微弱電流を流します。そこで生じた水素イオンが皮膚の表面にある汗腺に作用し、汗の出口を小さくして発汗を抑えます。
電流は非常に弱く、少しピリッとした刺激はありますが、痛みはなく健康への影響もありません。副作用の心配もなく、幅広い年齢層に対応できます。
保険が適用され1回あたりの治療費は低価格です。効果を実感いただくには、週に1回程度、数回継続的に治療を受けていただく必要があります。なお、妊娠中の方やペースメーカーをお使いの方などは施術できませんのでご注意ください。 -
case5内服薬や外用剤を処方する治療法もあります。
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漢方など、一人一人に合わせた治療が可能!
このほか、全身性多汗症には漢方薬を内服処方したり、手足の多汗症には汗腺をふさいで汗の量を減らす外用剤を用いるケースもあります。脇の多汗症には必要に応じて手術も行います。
症状や体質、ご要望は患者様それぞれ異なりますので、診察した上で最適な治療方法をご提案いたします。お気軽にご相談ください。